冷媒解説

R448Aってどんな冷媒?

どんなところに使われているか

R448AはR404AやR22の代替をねらって作られた冷媒です.
ハネウェル社の製品で,製品名はソルティスN40と言います.

R404Aの代替ですので,
現在の所コンデンシングユニットに使われています.

環境負荷(GWP,ODP)

R448AのODPは0です.
塩素を使用していないので0ですね.

R448AのGWPは,1273です.

安全性(毒性,燃焼性)

ASHRAE34規格ではA1に属します.
つまり,毒性は無く,不燃です.

特徴(メリット,デメリット)

R448AのメリットはODPが0でGWPが低いことです.
R448AはR404AとR22の代替冷媒です.
R404AのGWPは約4000ととても大きい数値です.
これに対してR448AはGWPが1273です.
約1/3ですね.

しかし,このGWP1273は,依然として大きな数字ですので,
将来的にはR448Aには何かしらの規制がかかってくると考えられます.

他の特徴としては,
R448Aは混合冷媒ですので,温度グライドが存在します.
ハネウェルのデータによると3.89℃です.
この温度グライドを考慮した機器設計が必要です.

化学的にはどんなものか

R448Aは混合冷媒です.
そのため,複数の冷媒が混ざっています.

成分は以下の通りです.
私の目線で混合した目的を推定して書いてみました.

冷媒 分子構造 mass% 混合した目的(筆者の推定です)
R32 26 機器がコンパクトに設計できる.なるべく多く使いたい.
R125 26 不燃のため,燃焼性を下げたい.しかしGWPが大きいので最小限にしたい.
R134a 21 不燃のため,燃焼性を下げたい.
R1234ze(E) 7 GWPが低いので,GWP1300以下になるように調整用として使用
R1234yf 20 GWPが低いので,GWP1300以下になるように調整用として使用

あわせて読みたい
R134aってどんな冷媒?どんなところに使われているか R134aは様々なところで使われています。ルームエアコン、カーエアコン、自動販売機、オフィス用エアコ...

あわせて読みたい
R125ってどんな冷媒?どんなところに使われているか R125は,それ自体を単体では使われていません。 R125はその燃えにくさを利用して, 混合...

あわせて読みたい
R32ってどんな冷媒?どんなところに使われているか R32は主に家庭用エアコンに使用されています. 従来,家庭用エアコンの冷媒としてはR410Aが...

その他(感想)

R448AはR404Aと比べるとGWPが低いことが大きなメリットなのですが,
それでもGWPは約1300です.
ですので,いずれはさらなる低GWP冷媒に置き換えられると考えています.