どんなところに使われているか
R407Hは最近開発された冷媒ですので,まだ使用実績はありません.R407H自体の販売は開始されているので,近いうちにR407Hを使用した製品が発売されてくるでしょう.
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冷凍冷蔵機器用 新冷媒 『R-407H』 を販売開始 | フッ素化学 | ダイキン工業株式会社
R407HはR404Aの代替冷媒として作られていますので,コンデンシングユニットや低温用のチラーに使われることが考えられます.
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環境負荷(GWP,ODP)
R407HのODPは0です.塩素が使用されていないので0ですね.
R407HのGWPは1380です.
安全性(毒性,燃焼性)
ASHRAE34規格ではA1に属します.
つまり,毒性は無く,不燃です.
特徴(メリット,デメリット)
R407Hのメリットは不燃で毒性も無く,それでいてGWPは従来使われていたR404Aと比べて非常に低いと言うことです(約1/3です).
しかしながらそれでもGWP1380は大きい数字ですので,この冷媒はスポット参戦的な位置づけになるでしょう.
化学的にはどんなものか
R407Hは混合冷媒です.そのため,複数の冷媒が混ざっています.
成分は以下の通りです.私の目線で混合した目的を推定して書いてみました.
冷媒 | 分子構造 | GWP | 毒性 燃焼性 |
mass% | 混合した目的(筆者の推定です) |
R32 | 675 | A2L | 32.5 | 機器がコンパクトに設計できる.なるべく多く使いたい. | |
R125 | 3500 | A1 | 15 | 不燃のため,燃焼性を下げられる.しかしGWPが大きいので最小限にしたい. | |
R134a | 1430 | A1 | 52.5 | 不燃のため,燃焼性を下げられる. |
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その他(感想)
従来使われていたR404Aに比べてR407HのGWPは非常に低い(1/3)ので,R404AからR407Hへの置き換えはある程度進むと考えられますが,それでもGWPは1380と大きいのでいずれ使われなくなる冷媒でしょう.