冷媒解説

R452Bってどんな冷媒?

どんなところに使われているか

R452Bはケマーズ社のOpteon XL55という製品名で発売されています.
R452BはR410Aの代替冷媒として作られています.そのため,R410Aが使われているエアコンなどへ使われることが考えられますが,すでにR410Aの代替冷媒としてR32に切り替わりつつあるため,R452Bが今後使用されるかどうかなんともわかりません.

環境負荷(GWP,ODP)

R452BのODPは0です.
塩素が使用されていないので0ですね.

R452BのGWPは676です.

安全性(毒性,燃焼性)

ASHRAE34規格ではA2Lに属します.
つまり,毒性はありませんが,微燃性です.
しかしここを見るとA2Lというのはexpected(予測)ということなのでまだまだ正式決定はしていないのでしょう.

特徴(メリット,デメリット)

R452Bのメリットは置き換えをねらったR410Aに比べて,GWPが約1/3であるということです.
しかしながらそれでもGWP約676と言う数字は大きな数字ですので,いずれ規制され,使用できなくなると考えられます.
また,同じくR410Aの置き換えをねらったR32もGWPは675ですので,R32と比べてしまうとGWPはそれほどメリットにはなりません.

化学的にはどんなものか

R452Bは混合冷媒です.
そのため,複数の冷媒が混ざっています.

成分は以下の通りです.
私の目線で混合した目的を推定して書いてみました.

冷媒 分子構造 GWP 毒性
燃焼性
mass% 混合した目的(筆者の推定です)
R32 675 A2L 67 機器がコンパクトに設計できる.なるべく多く使いたい.
R125 3500 A1 7 不燃のため,燃焼性を下げられる.しかしGWPが大きいので最小限にしたい.
R1234yf 1 A2L 26 GWPが低いので,GWPを下げるために使用

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その他(感想)

R452Bはまだまだ開発されたばかりの冷媒なので,今後の動向をチェックしていきます.